猫を追うより皿を引け

日々ぼんやり考えていることを残します。

Caravan@日比谷野外大音楽堂 2017.5.7

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Caravanの野音は、いつも自分と深く向き合う時間となるわけで、今回もそれはいつもと変わらないのだけど、終始ノスタルジーにかられて胸がざわめいたのは、ファーストアルバムから6曲も演奏してたからだったと帰ってから気がついた。

白い花のような飾りで覆い尽くされた、いつもに増してスピリチュアルなステージに、Caravanはたった1人で立っていた。11回目の野音。ここに立ち続けることが当たり前ではないことは小屋を押さえる運のみならず、大きくなりすぎても小さくなりすぎてもダメで、「消えない炎を燃やそう」という本人の『Camp』そのものの難しさだったりする。

今回1番驚いたのは、中盤で、客席に設けられたサブステージでの演奏になった時だった。たまたま私はステージのすぐ後ろだったので、歌うCaravanの目線でお客さんの顔を見渡すことができた。気持ちよさそうに一緒に歌う人、目を輝かせて食い入るようにみる人、音に委ねて身体を揺らす人。想像をはるかに超える幸せでエネルギュッシュな光景がいつもCaravanに向けられているのか、そうだったのか、と大きく頷いたりした。

降水確率ゼロパーセントの東京だったのに、ボタボタっと通り雨。「前よりよくなったでしょ?」と苦笑い。晴れては空を仰いで感謝し、雨が降れば恵みの雨さ、と笑えばいいことも、この11年で教えてもらったことのひとつかもしれない。

確かめるように、赦すように、祈るように響く歌。
また、それぞれがそれぞれの巡礼を続けて、ここに集うことができますように。