猫を追うより皿を引け

日々ぼんやり考えていることを残します。

Caravan@日比谷野外大音楽堂 2017.5.7

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Caravanの野音は、いつも自分と深く向き合う時間となるわけで、今回もそれはいつもと変わらないのだけど、終始ノスタルジーにかられて胸がざわめいたのは、ファーストアルバムから6曲も演奏してたからだったと帰ってから気がついた。

白い花のような飾りで覆い尽くされた、いつもに増してスピリチュアルなステージに、Caravanはたった1人で立っていた。11回目の野音。ここに立ち続けることが当たり前ではないことは小屋を押さえる運のみならず、大きくなりすぎても小さくなりすぎてもダメで、「消えない炎を燃やそう」という本人の『Camp』そのものの難しさだったりする。

今回1番驚いたのは、中盤で、客席に設けられたサブステージでの演奏になった時だった。たまたま私はステージのすぐ後ろだったので、歌うCaravanの目線でお客さんの顔を見渡すことができた。気持ちよさそうに一緒に歌う人、目を輝かせて食い入るようにみる人、音に委ねて身体を揺らす人。想像をはるかに超える幸せでエネルギュッシュな光景がいつもCaravanに向けられているのか、そうだったのか、と大きく頷いたりした。

降水確率ゼロパーセントの東京だったのに、ボタボタっと通り雨。「前よりよくなったでしょ?」と苦笑い。晴れては空を仰いで感謝し、雨が降れば恵みの雨さ、と笑えばいいことも、この11年で教えてもらったことのひとつかもしれない。

確かめるように、赦すように、祈るように響く歌。
また、それぞれがそれぞれの巡礼を続けて、ここに集うことができますように。

 

 

初恋の嵐『対バンの嵐』2017.2.23

@新代田FEVER

f:id:vinejive:20170228084709j:imagef:id:vinejive:20170228084724j:imageお相手はセカイイチ。彼らが初めてセカイイチと名乗ってライブをした時の対バンが初恋の嵐だった、という素敵エピソードも相まって、出演者全員が楽しそうなこと。西山くんが遺したスリリングな楽曲たちも、生き生きとこちらを揺さぶってきます。慧くんボーカルの「真夏の夜の事」が、ほんとにホントに素晴らしく、なんてシンガーなんだと惚れ惚れしました。
7月7日のライブをもって活動を休止する初恋の嵐。まだまだ沢山の人にきいて欲しいな。

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『真夏の夜の事』


初恋の嵐 - 真夏の夜の事

 

初恋に捧ぐプラス

初恋に捧ぐプラス

 

 

 

Caravan@日比谷野外大音楽堂 2016.10.1

HARVEST 9th Anniversary ~新月祭~
10/1(sat) 日比谷野外大音楽堂

 

横浜のTHUMSUPで初めてみた時、都会のオアシス感がはちきれそうになっていて、これは絶対野音でしょうと思ってからもう11年。Caravan 野音、なんと10回目の公演だそうです。
雨男と晴れ男が攻防しているような厚い雲に覆われた夕刻。ステージに現れて、大きく手を広げ空を見上げただけで、どうも神々しい気持ちになるのはなぜか。最近、小さなフェスでも欠かさない『サンティアゴの道』で幕が開けました。メジャーを離れ、CDショップでの流通をやめ、彼はこの曲にある「巡礼のような毎日です」を続けています。そして、1年の終着地野音に毎年沢山の人が集まっている。わからないけど、私はCaravanの音楽に身を委ねると「許されていく」感じがするんですよね。この世の中で一番贅沢な娯楽は人を許すことだ。みんなはどうなんだろう。
ミラーボール、虫の声、シンガロング、秋の風。踏ん張った空も含めて、今日があってよかったと思う夜でした。

行きつけの三茶の串揚げ屋の斎藤工的お兄ちゃんと前後の席でたまげた。乾杯。ここにくると、いつも沢山の大切な人たちに会える。

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歪んだ世界もトビ方次第だよ さあもう一度その右手に気分屋のピースサイン
『Slow Flow』-2004年f:id:vinejive:20161002141821j:image

Suchmos Charisma.com サカナクション@新木場スタジオコースト 2016.3.22

f:id:vinejive:20160323004133j:imageJ-WAVE SAISON CARD TOKIO HOT 100 FESTIVAL
このブッキング見た時、目眩がしました。J-WAVEさん、さすがです。
猫も杓子もSuchmos元年だと勝手に何度も言ってますが、その思いを強くするような大成長、堂々の彼ら。若者が衒いもなくソウルを鳴らしフロアを揺らせる光景は希望でしかない。スーツ男性のファンが目立つのも特長的。
Charisma.comちゃんは、ご無沙汰だったけど、さらにOL毒舌キャラが面白おかしくはまっていて、いつのまにかみんな中指を立ててクレーマーにファ◯キューでストレス発散。楽しい。
そしてサカナクション、冒頭2曲は丸腰、演出なし。なんだかとても新鮮で、懐かしい感じすらしたし、そうなると草刈ねえさんのベースが響くから、そうだよ飾りなしでもブルンブルン内臓震わせるバンドなんだよと再確認しました。連休明けの活力です。f:id:vinejive:20160323004129j:image

セカイイチ@下北沢CLUB Que 2016.3.13

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4年ぶりのフルアルバム『Round Table』のレコーディングを終え、今月末にリリースを控えたセカイイチ、下北沢CLUB Queで観てきました。先発でライブ会場限定販売している『Grave of Music』や未発表の新曲を交え、踊れる曲にぐっと振り切ったセットリスト。ここ数年で大きなうねりとなって押し寄せているソウル、ファンク復権の潮流を見事に捉えた感。これは新しいステージの始まりってことでよろしいかな。
新しいアルバム、期待しかないし、ぐいっとフロアに踊りでる予感がビシビシしている。
 
 
 

Caravan新年祭り@CLUB CITTA' 2016.2.1

Caravan新年祭、今年もお手伝いを兼てお邪魔してきました。恒例の振る舞い酒は、コロナエキストラ!太っ腹。満パンの会場で、全員がボトルを掲げて乾杯した光景はゴキゲンすぎました。来場特典の缶バッチ風栓抜き、可愛くて気が利いてます。
CDは通販、会場、一部馴染みのお店でのみ販売で、メディア露出も最小限。なのに長年集い続ける大勢の人々。歌う菩薩かスナフキンか。音楽という枠や、ステージとフロアの一線を超えて、人と人が紡ぐ輪。その全てをひっくるめてCaravanなんだと思います。

「さあ行こう 裸足で荒野を Caravan keep on moving on」
ー "Lonesome Soul Survivor"

「1998年の宇多田ヒカル」

読了。1998年は「未来永劫塗り替えられることのない、日本の音楽業界史上最高のCD売り上げを記録した年」です。文字にすると大変重い。
aikoさんがどれだけ独特な立ち位置で存在しているのかということについて、きちんと斬り込んでいてやっぱりそうかと、とても面白かったです。そしてこの本、ドキッとする書き終わりになっています。宇多田ヒカルさんが、再始動を始める前に読むことをオススメします。

 

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)